レオナルド・ダ・ヴィンチの絵画 |
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■絵画・「最後の晩餐」 : |
絵画参照用ホームページ・・・・・・・・ |
「最後の晩餐」の絵画と詳細説明 |
絵画について・・・・・・・・・・・・・・・・・・ |
レオナルド・ダ・ヴィンチ(Leonardo da Vinci:1452〜1519年)の壁画 ・ イエス処刑の最後の晩餐で、12人の弟子の動揺がみられる絵画 ・ ユダヤ人の祭りで、エルサレム入りしたイエスは、信仰の腐敗を怒り、神殿に集う商人を鞭で打ち、店をひっくり返した ・ 大祭司たちはイエスの逮捕を決める ・ その晩餐の席で弟子が裏切りの話をし、パンとワインを血に例えて分け与えている ・ ユダは逮捕の手引きをして、イエスは十字架に掛けられる |
裏切り者・ユダの逸話・・・・・・・・
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絵画の中央にイエス ・ その左側にはヨハネ(婦人のような人物)・ペテロ・ユダと並ぶ ・ ペテロはヨハネに裏切り者は誰かと聞いている ・ ユダはその話が気になり後ろを向こうとしている ・ 当時、修道院の食堂には最後の晩餐図が多くあったが、どれもユダを目立たせ反対側に座らせる構図が一般的であった ・ レオナルドダヴィンチはユダを他の使徒の中にまぎれもませている ・ 裏切り者は誰かとの食卓の疑心暗鬼の瞬間を形づくっている ・ レオナルド自身も素描の中でユダの位置を、食卓の手前にした図、あるいは食卓に歩み寄る図いろいろとした結果、ようやくあの位置とポーズに定まったようである |
遠近法での描写・・・・・・・・・・・・ |
レオナルドは壁画のある食堂を劇場に見立てた ・ 台形の部分が食卓の部屋の視覚イメージ ・ 画面の枠が舞台の額縁 ・ 舞台の空間は横に広がる遠近法で描かれている ・ 窓から向こう側を覗き込むような感じになっている ・ またイエスのこめかみに釘の跡があり、その釘に紐を結びつけ、定規で線を引くと遠近法での構図が浮かび上がる ・ 人物も自然の法則の上に描かれている |
絵画の所蔵ほか・・・・・・・・・・・・・・・・ |
ミラノのサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院で、7年前20年余りに及ぶ大修復が終わった ・ 1495〜1497年ごろの作・テンペラ画・460×880cm |
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■絵画・「岩窟の聖母」 : |
絵画参照用ホームページ・・・・・・・・ |
絵画「岩窟の聖母」の秘密 ・ 「岩窟の聖母」の絵画と詳細説明 |
絵画について・・・・・・・・・・・・・・・・・・ |
レオナルドの手記「水は大地の生命・大地の内臓である洞窟から枝分かれをして低地に戻る・血流と同じく不断の運動によって水は循環する」にのように、「岩窟の聖母」は水の世界である ・ 暗い水辺に聖母マリアが描きこまれている ・ 聖母マリアの視線は幼児の洗礼者ヨハネ(左端)を向き、右手で肩をつかむ ・ 左手はイエスを守るようにかざされる ・ 右端の天使はヨハネを指し示している |
洞穴を大地の子宮と考えた・・・・ |
マリアの背後右側の穴は光が差し込んでいるが岩で塞がれている(処女性の象徴)、右側の穴は光が差し込んでいる(マリアの子宮の象徴)との象徴説を若桑みどりとっている ・ また田中英道説によれば、この絵は山水画に通じており、霞や霧などの山の霊気があらわれているとする いずれの説も、自然を細かく観察し、そこに真実性を表現したのだとの説である |
水は自然を動かす・・・・・・・・・・ |
レオナルドは、水の複雑な渦を巻くさま、決壊した水流、嵐、洪水のスケッチをしている ・ レオナルドの研究の宇宙体系の中心に水がある ・ レオナルドが30歳そこそこのときこの「岩窟の聖母」を描いている ・ フィレンツェでルネッサンス芸術の修行を終えた頃の作品である ・ ルネッサンス時代、画家は職人であって諸侯の注文に応じていたが、レオナルドは他の画家と違って、ただただ自然の摂理を探求した ・ 動植物、解剖図、飛行機に戦車さまざまあるが、多いのが水流の図であった |
絵画の所蔵ほか・・・・・・・・・・・・・・・・ |
ミラノのサン・フランチェスコ教会の祭壇画として注文されたと推定されるが、腕前を示す見本として描かれたとの説もある ・ 本絵画は1485年ごろの作・油彩・197.3×120cm・ルーブル美術館所蔵 |
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■絵画・「キリストの洗礼」 : |
絵画参照用ホームページ・・・・・・・・ |
絵画「キリストの洗礼」 ・ 「イエスの洗礼」の絵画と詳細説明 |
絵画について・・・・・・・・・・・・・・・・・ |
レオナルドの師匠ヴェロッキオが大半を描いたと考えられてきたが、レオナルドが大部分を油彩で塗りなおしていた ・ レオナルドが描いた天使があまりに見事なので、ヴェロッキオが筆を折ったという逸話がある ・ テンペラ画の上にレオナルドの手で油彩で塗られているとみられる ・ ありきたりの背後の風景画をレオナルドは油彩で、水の世界に一変させている |
ヨルダン川の水の設定・・・・・・ |
ここまでの水の気配は、ほかならぬレオナルドの筆による ・ 中央を全て水にして、イエスの足をしたしている ・ レオナルドが生まれた村ヴィンチは水にゆかりが深い ・ 嵐になれば、川から水があふれ、大地をけずることもあったのであろう ・ また5月半ばトスカーナ州は最も美しい季節を迎える、ぶどうとオリーブ畑がつづく ・ フィレンツェから南に車で1時間半、生地はその丘の上にある |
レオナルドの生い立ちについて・・・・・ |
ダ・ヴィンチの家は土地の名家で、父は公証人、母は耕作に使われる娘であった ・ その2人には婚姻関係はなく、お互いに別人と結婚している ・ 父の口利きでフィレンツェの画家ヴェロッキオの工房に預けられたのが10代半ばであった ・ 家族愛にめぐまれない田舎の少年は、あくなき自然の探求者になって行った |
30歳以降は・・・・・・・・・・・・・・ |
30歳になる年にミラノに移り、宮廷芸術家として20年近く過ごす ・ フランス軍侵攻を機にフィレンツェに帰る ・ ミラノ、ローマと転々とした後、晩年はパリの近郊で暮らした |
絵画の所蔵ほか・・・・・・・・・・・・・・・ |
本絵画は1475年ごろの作・180×151cm・テンペラと油彩・フィレンツェ、ツフィツィ美術館所蔵 |
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■絵画・「洗礼者聖ヨハネ」 : |
絵画参照用ホームページ・・・・・・・・ |
このページの最下部の図を参照ください |
絵画について・・・・・・・・・・・・・・・・・・ |
聖書によれば、万物は言葉よりなり、言葉のなかに命、命の中に人間を照らす光があるといった ・ その光の証に神から遣わされたのが洗礼者ヨハネである ・ 絵の中で洗礼者ヨハネは光を発している光の像である ・ |
聖書の中のヨハネ・・・・・・・・・ |
洗礼者ヨハネはイエスの先駆者 ・ 人々に罪の悔い改めを説教した ・ イエスも洗礼を受けた ・ もう一人のヨハネ(最後の晩餐などにいる12使徒のヨハネ)はヤコブの弟で、若年ながらイエスの信頼を一番得ていた ・ 第四の福音書(黙示録)の著者 ・ イエス死後、エルサレム教会の指導者になる ・ 「最後の晩餐」の使徒ヨハネと「岩窟の聖母」の聖母マリアの顔はそっくりである ・ 理想美をこれらに描いたものとみられる |
スマート技法による立体絵画・ |
レオナルドの描く顔つきは、男なのか女なのか分からない ・ レオナルドの絵画のなかで評判がよくないといわれるが、これは傑作なのである ・ スマートと呼ばれる絵画技法で、線を用いず、光と影だけで立体を表現している ・ 油絵に透明な塗料を何層にも塗り重ねている ・ 限りなく薄くそれを塗っている ・ また天を指す指と腕の形は見事、死体解剖の成果ではといわれる ・ レオナルドの描く人体は他の画家の絵とは違って動く様が現れる、一般絵画と違った設計図といったところであるとの指摘もある |
晩年前に描いた真作・・・・・・ |
レオナルドが全画面真作と断定できる絵画は十もない ・ この絵画は、67歳で亡くなる数年前に描かれた最後の真作である ・ レオナルドが最後に到達した顔、男なのか女なのであろうか ・ 性差はないとみるべきか、両性具有的な存在というのが定説である ・ 性差が消える理由にレオナルドが同性愛者だったことが言われる ・ キリスト教会では禁じられたが、フィレンツェでは大目にみられたという |
絵画の所蔵ほか・・・・・・・・・・・・・・・・ |
本絵画は1513〜1516年ごろ・油彩・ルーブル美術館所蔵 |
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■絵画・「受胎告知」 : |
絵画参照用ホームページ・・・・・・・・・ |
「受胎告知」の絵画と詳細説明 |
絵画について・・・・・・・・・・・・・・・・・・ |
処女マリアに天使のガブリエルが降り、キリストを身ごもったことを告げている絵画 ・ 書見台のあたりの遠近法がいささか誤りがあるとの指摘もあるが、絵画の右側に立ってみると全体の遠近感がよくでている ・ 受胎告知は、キリスト関連でよく使用されているテーマ、思想である |
絵画の所蔵ほか・・・・・・・・・・・・・・・・ |
本絵画は、1473〜1475年ごろ・油彩、テンペラ・100×221.5cm・フィレンツェ、ウフィツィ美術館所蔵 |
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■絵画・「モナリザ」 : |
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絵画参照用ホームページ・・・・・・・・・ |
「モナリザ」の絵画と詳細説明 ・ モナリザ |
絵画について・・・・・・・・・・・・・・・・・・ |
レオナルドは死ぬまでこの絵を手放さなかった ・ 肖像画であれば依頼者の手に渡るはず ・ 何層にも絵の具が塗り重ねられていることが分かっている ・ 長い期間手をいれたので、特定の人物ではなくなったのかも知れない ・ 新説奇説を後世にのこしたなんとも不思議な絵画である |
胸元の組みひも・・・・・・・・・・・ |
キリスト教以前欧州では自然の循環を感じ取るケルト文化が広がっていた ・ そのケルト文化で水の象徴とされた組みひも模様をレオナルドは独自のものにしていた ・ その模様を浮き立たせているので、この肖像は何かの象徴ではなかろうかとの若桑みどり氏談 |
背景は現実の風景ではない・・・ |
モデルの橋は実在するとしても、絵の中のものは宇宙観が凝縮されている ・ 画面右上の水源を太古の海に見立てたり、風景を地質学研究の成果とした研究が欧米で脚光を浴びている ・ レオナルドは自然研究を積み重ね、地球の運命をモナリザの背景に描き込んだのであろうと若桑みどり氏談 ・ 喪服を着て、お腹も大きく「生と死を同時にはらむ女」「この世の必然による運命」と、画家は神のような予言者とレオナルドは考えていた ・ モナリザの解題は見る人の心の中にありそう、永遠の謎である |
絵画の所蔵ほか・・・・・・・・・・・・・・・・ |
本絵画は、1503〜1506年・油彩・77×53cm・ルーブル美術館所蔵 |
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■絵画・「聖アンナと聖母子」 : |
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「聖アンナと聖母子」の絵画と詳細説明 |
絵画について・・・・・・・・・・・・・・・・・・ |
レオナルドがフランスのアンボワールで、臨終まで手元においていた絵のひとつ ・ あと「モナリザ」と「洗礼者ヨハネ」で、これら3点が残っていた ・ ひつじと戯れる幼児イエスを抱き取ろうとする聖母マリアをその母アンナが見下ろす ・ 背景はこの世の終わりであり、はじまりであるような場所が描かれている ・ 性差を超えた3人の微笑が、観音のそれに似て神の域にある |
絵画の所蔵ほか・・・・・・・・・・・・・・・・ |
本絵画は、1502〜1513年ごろ・油彩・168,5×130cm・ルーブル美術館所蔵 |
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■絵画・「ウィトルウィウスの人体図」 : |
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「ウィトルウィウス的人間像」の絵画と詳細説明 ・ このページの最下段の図 |
絵画について・・・・・・・・・・・・・・・・・・ |
ウィトルウィウスは古代ローマの建築家・技師で、完全な人体のプロポーションについて研究をした ・ 円と正方形からなる幾何学図形に収まるとした ・ レオナルドは2つの身体を重ねることで、その誤り部分を図示した |
絵画の所蔵ほか・・・・・・・・・・・・・・・・ |
本絵画は、1490年の作・インク金属筆水彩・34.4×24.5cm・ヴェネツィア、アカデミア美術館所蔵 |
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■絵画・「レオナルドの肖像」 : |
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「レオナルドの自画像」の絵画と詳細説明 |
絵画について・・・・・・・・・・・・・・・・・・ |
レオナルドの自画像とされるが、偽造作品説もある ・ 魔術師的イメージを広めた |
絵画の所蔵ほか・・・・・・・・・・・・・・・・ |
1510〜1515年ごろの作・赤チョーク・33,3×21.5cm・トリノの王立図書館所蔵 |