迫る廃炉ラッシュ、埋設地決まらぬまま (朝日新聞9月18日より) |
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■廃棄には時間がかかる : |
廃棄処理方法決めないできた・・・ |
原子炉の寿命は数十年 ・ 1970年後半に本格化した日本の原子力発電は廃炉時代に入る ・ だが放射性廃棄物の処分方法を最初にきめないまま進めてきたツケが今のしかかろうとしている |
廃炉には20年以上かかる・・・ |
廃炉は原子炉から使用済みの核燃料を取り出して、配管の放射線物質を除染し、放射線量が減るのを待ってから解体する ・ そして施設を更地に戻すまでの手続きである ・ 大量の放射性物質がでるため、廃炉には20年以上かかる ・ 63年に日本で初めて原子力発電に成功した原研の動力試験炉「JPDR」は、76年に運転を停止し、96年に廃炉を完了した ・ その東海村の敷地はいま、更地になっている |
廃棄物の行き先???・・ |
しかし、すべてが終わったわけではない ・ 廃炉で出た放射性廃棄物3770トンはすべて敷地内に一時的に保管されたままである ・ 別の場所に設ける処分場に移して2019年に埋設を始めることになっているが、候補地すら決まっていない |
東海村営業炉の廃炉状況・・・・・・ |
東海村では廃炉作業が続いている ・ 66年に稼働した国内初の営業炉 ・ 98年に営業運転停止後、使用済み核燃料を原子炉から取り出し、英国の再処理工場へ送った ・ 原子炉周辺の解体は14年からの予定で、現在は原子炉の熱でタービンを回す蒸気をつくる熱交換器を撤去中である |
放射性廃棄物の行先??? |
廃炉で出る67900トンの放射性廃棄物のうち放射線量が高い約14700トンは地下10mから100mの施設に埋設する予定であるが、場所は決まっていない ・ 解体の14年までに決めるとしているが、決まらなければ解体工事の開始は延ばさざるをえない |
福島は放射線量測定で?? |
さらに今福島第一原発事故の影響で作業に影響が出ている ・ 放射線量が極めて低いと確認された金属やコンクリートをリサイクルに回すことになった ・ 周辺の放射線量が事故の影響で変化し、測定作業がストップ ・ 廃棄物の元々の放射線量なのかどうかが判明しないからだ ・ 測定ができず搬出も止まっている |
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■廃棄には費用がかかる : |
炉建設費以上に廃棄に費用要・・ |
敦賀市の新型転換炉「ふげん」はプルトニウムの有効利用を目指し、日本が独自開発を進めたものであるが、後継炉の計画が中止され、24年の操業を経て03年に運転を終えた ・ 18年度ごろから原子炉本体を解体撤去し、更地にするのは28年度が目標 ・ 処分費用は建設費の685億円よりも高い750億円かかる見込みである ・ 建設期間が8年で処分期間はそれ以上にかかる |
廃炉が増えて行く・・・・・・・・・・・・・ |
中部電力は5つの原子炉のうち1、2号機の営業運転を09年に終え、廃炉手続きに入った ・ 耐震補強に3000億円かけるより、新しい6号機にリプレースする方が効率的との判断から廃炉することになった ・ ところが15年度の6号機の着工予定は震災の影響で目処がたたなくなった |
現在8基廃炉が決まってる・ |
震災前に廃炉手続きに入った東海、ふげん、浜岡2基の計4基に加え、新最後事故を起こした福島第一原発の1〜4号機の廃炉が決まった ・ 福島原発の廃炉は汚染個所が広範にわたるため、汚染作業が難航することは避けられない |
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六ヶ所村の危険な賭け (創史社・山田清彦著「再処理核燃サイクルの行く末」 より) |
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■ウラン濃縮工場の危険性 : |
ウラン濃縮工場2013年完成予定 |
1993年から2兆円強の費用をかけて青森県上北郡六ヶ所村に再処理工場が建設中である ・ 日本全国の原子力発電所で燃やされた使用済み核燃料を集め、その中からウランとプルトニウムを取り出す再処理工場である ・ 最大処理能力は使用済み燃料800トン/年を処理して、プルトニウム8トン/年(原爆1000発分)を取り出せる ・ 完成は18回の延期で、現在2年先2013年になっている ・ ウラン濃縮とは天然ウランの中に0.7%しか含まれていない核分裂性のウラン235を遠心分離法などで取り出す仕組み ・ 残りのウランは燃えにくいウラン238となる |
ほかに各種工場が併設・・・・・ |
六ヶ所村には再処理工場のほかに、ウラン濃縮工場、低レベル放射性廃棄物埋設センター ・ 高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター、MOX燃料の工場も建設される予定になっている ・ ウラン濃縮工場には最大3000トン以上ものウランが運び込まれ、このウランの一部が環境中に放出されないかとの危険性、航空機事後があったらとの心配などが想定される |
再処理工場を急ぐ理由・・・・・ |
急ぐ理由は全国各地の原発の使用済み燃料の貯蔵余裕がなくなってきていることである ・ 全国の貯蔵量は2004年時点で1万1000トン ・ 満杯になるところがつぎつぎに出てきている ・ そこで六ヶ所村の再処理工場に隣接する3000トンの受け入れプールが期待されている ・ しかし全国53基の原発からくる使用済み燃料の年間発生量は約1000トンであり、、工場をフル稼働させても年間800トンしか処理できない ・ それで東京電力は同じ青森県むつ市に中間貯蔵施設(約5000トン分)を作る計画にしている |
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■低レベル廃棄物埋設施設 : |
低レベル放射能廃棄物とは・・・・・ |
放射能の浄化に使った、フィルターやろ過装置、放射能処理に使った雑巾や作業着等には放射能が付着しますので厳重に管理します ・ かさが増えるので焼却しますが、それをドラム缶にセメントやアスファルトで固めて貯蔵します ・ このような廃棄物を一号埋設廃棄物(一号廃棄物)といいます ・ そしてこれと違い、原発運転で発生する雑多な廃棄物を固化したものを二号埋設廃棄物といいます ・ 再処理工場で出るガラス固化体の高レベル廃棄物より低いので、前者2件は低レベル放射性廃棄物となります ・ 各原発の低レベル廃棄物は六ヶ所村の施設に集中して管理することになっています |
六ヶ所村の低レベル廃棄物施設・ |
地面から12m掘り下げた場所に、高さ6mのコンクリートビットをつくり、一号廃棄物5000本、二号廃棄物1万3000本を収容します ・ 全体で300万本になりますが、これを土を6m埋め戻してから300年間管理することになっています ・ ウランは60〜70年で枯渇するのですから、未来の子供達はやっかいなゴミだけを押しつけられることになります |
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■海外からの高レベル廃棄物 : |
高レベル廃棄物とは・・・・・・・・・ |
原発で使用した後の使用済み核燃料を再処理する過程で、各種の核のごみが出てきます ・ その中で放射性レベルの極めて高い放射性核種を抽出し、ガラスに溶かしてステンレス容器に入れたもの(ガラス固化体という)を高レベル放射性廃棄物といいます |
高レベル廃棄物の一時貯蔵施設 |
日本の原発はフランスとイギリスの再処理工場に委託もしていますが、再処理しますとプルトニウムが製品として、そして低レベル、中レベル、高レベルの廃棄物が出てきます ・ それらは日本に送られてきます ・ フランスから送られてくるガラス固化体は六ヶ所村に一時保存されます ・ 送り返されてくる核廃棄物は、分量としてのカウントになっており、外国で発生した核廃棄物の可能性もあります |
電源三法交付金が悪魔・・・・・・・・ |
青森県への電源三法交付金総額約915億円/14年間の累計 ・ 電源三法交付金というのは、火力、水力、原子力の発電所を確保するために立地自治体に提供されるもので、必ずしも原子力だけに支払われるものではない ・ しかし原子力の交付金が大きいので、これに惑わされることになりかねません ・ 将来に禍根を残します |
最終処分地どこが引き受けるか・・ |
一旦核のごみを受け入れているが、ガラス固化体である高レベル核廃棄物は30年〜50年保管した後、青森県以外の最終処分地に行くのだと考えられている ・ しかしこれも行くところが決まるまでの幻想であって、行くところがなかったら居座ることになってしまいます |
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■再処理工場の危険性 : |
核燃料リサイクル政策・・・・・・・ |
六ヶ所村の再処理工場に職員を出向させている核燃料リサイクル開発機構の考えは、再処理で抽出のMOX燃料を高速増殖炉で燃焼させ、それを更に高速増殖炉用再処理工場で再抽出し、何度も繰り返し利用して行こうというものです |
再処理工場から多量ごみ |
再処理工場からは大量の放射能ごみが出ます ・ 100万キロワットの原発には毎年約30トンの新しい核燃料が挿入されますが、使用済み核燃料も約30トンでます ・ これをそのまま捨てず、再処理工場で処理をしますと、ウラン28トン、その他容器、液体ほか様々なごみが生じます ・ その量、50倍から70倍に膨らみます ・ ウランの資源が60年〜70年で枯渇するとのことで、どんなにごみが出ようとも、再処理にお金がかかろうともやめられないとの主張がリサイクル機構にあるのです |
核兵器に通じる再処理工場・・・・・ |
大型核兵器に使われるプルトニウム239は98%の濃度 ・ このような高濃度のプルトニウムを抽出する再処理工場は茨城の東海村にあります ・ そこへ使用済み核燃料を供給には六ヶ所村があるという側面もあります |
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