スマートグリッドで最適化 |
|
|
■エネルギーの地産地消へ : |
エネルギー利用の最適化へ・・・・ |
スマートシティが大きな注目を集めている ・ 電力の供給側と需要側をIT技術で最適化する次世代送配電網(スマートグリッド)を基盤に構築するもので、日本でも各地で実証実験が始められている ・ 太陽光発電などでエネルギーなどの地産地消を実現し、家庭内のエネルギー利用に加え、地域全体のエネルギー利用の最適化を実現する |
各地で実証実験スタート・横浜は |
経産省の指導で現在4地域が選ばれている ・ 横浜市、豊田市、京都府学園都市、北九州市であるが、横浜市ではみなとみらい21エリアの4000世帯のインフラ更新を進めている ・ 大規模ネットワークにより、地域エネルギー連携、次世代自動車2000台を軸とする交通システム普及などに取り組む ・ 市民が参加しやすくするためホームEMSや太陽光発電などの設置については助成している |
愛知県豊田市では・・・・・・・・ |
「低炭素社会実証プロジェクト」としてスマートハウスによる生活圏全体のエネルギーの最適化を目指す ・ スマートハウスでは太陽光発電などで得たエネルギーを家庭用蓄電池などへ蓄え、HEMSでトータルに制御 ・ 生活圏全体を制御するエネルギーデータ管理システム(EDMS)がHEMSと連携して地域電力の需要と供給をコントロールし、コミュニティ全体で電力の地産地消を進める |
京都府の学園都市では・・・・ |
900世帯を対象にニュータウンの電力需給を管理するプロジェクトが進む ・ 蓄電池を活用して需要パターンが似ている街区同士の需給バランスを調整 ・ 街全体で電力や熱えれルギー利用を効率化し、地域の分散型電源を最大限活用するためにEMSの構築を進めている |
北九州市では・・・・・・・・・・・・ |
特定供給エリアで大手製鉄企業が住宅やオフィス、工場に電気を提供する ・ その特徴を生かして、電気料金をリアルタイムで変動させたり、天然ガスを燃料にして発電する際に発生する熱を暖房や給湯に使う天然ガスのコージェネレーション、最も効率の高い出力で定格運転をしている |
燃料電池の開発も加速・・・・・・・・ |
家庭やオフィスなどで太陽光発電や燃料電池コージェネレーションシステムを使って発電する「畜エネ」技術が進化し普及が進んでいる ・ その背景には再生可能エネルギーで発電した電力を電力会社が一定期間買い取る「全量固定価格買い取り制度が来年7から始まる |
低価格タイプも発売された・・ |
家庭用燃料電池は開発が加速しており、液化天然ガスや都市ガスから取り出した水素を水の電気分解とは逆の化学反応で発電する ・ フィルム状の固定高分子膜を使う燃料電池(PFFC)が2009年に発売され、低価格の新型が発売された |
|
|
■新エネルギー利用のインフラ整備 : |
スマートメータ普及拡大・・・・・・・ |
スマートグリッドの結節点として家庭と地域を結んで電力コントロールのカギを握るスマートメータも、欧州、米国などから普及が始まっている ・ スマートメータは電力会社とのデータのやり取りや家庭の電力使用量の制御などをする ・ 最も進んでいるイタリアやスウェーデンでは既に全戸に設置が完了している |
省エネを促進できる・・・・・・・ |
日本ではスマートメータ制度検討会で議論が進められている ・ 設置されると需要家がみずからのエネルギー情報を把握、エネルギー意識が高まり、行動変化を促す効果が大きいと期待される |
HEMS実用化に向け連携・・・・・・・ |
スマートメータとHEMSが連携すると、太陽発電システムやEVだけでなく各種の省エネ家電ともつながるようになる ・ HEMSはパソコンや携帯電話んどに消費電力量や太陽光発電の発電量を表示、「電力消費ピーク時の行動を控えよう」といった省エネ行動方針も立てやすくなる |
新興国でインフラ重要急増・・・・・ |
スマートシティ関連の市場は世界累計で15年の653兆円から30年には3882兆円に達するとみられている ・ 中国やインドなどの伸びが高く、全世界の半数を占めると想定されている ・ 新興国ではエネルギーや上下水道などのインフラに対する需要が急増していることが背景にある |
地域毎の研究の期待・・・ |
人口が集中して渋滞などによるエネルギーロスが多い都市ならば、交通システムも含めて効率化を進めることで大きな省エネ効果が得られる ・ 快適さとエネルギー消費の極小化を同時に実現するスマートシティの姿は都市ひとつひとつ異なり、地域の力が問われることになる ・ 日本の技術を積極的に活用していくことが求められる |
|
|
|
|
導入機運高まる再生可能エネルギー |
|
|
再生可能エネルギー特別措置法 |
H23年8月成立した「再生可能エネルギー特別措置法」により、再生可能エネルギーの利用への関心が高まっている ・ 来年7月から固定価格で電力会社による全量買い取り制度が始まることで、企業での導入、普及が加速している |
特別措置法の対象・・・・・・・・ |
再生可能エネルギー特別措置法が定める発電源の対象は、太陽光、風力、中小水力、地熱、バイオマスとなっている ・ これらが発電した電力は、国が定める固定価格で電力会社が買い取ることになる |
太陽光発電・・・・・・・・・・・・・・・・・・ |
再生可能エネルギー利用が注目される中で、最も導入がしやすいシステムとして企業や戸建て住宅で急速に普及始ったのが太陽光発電である |
シリコン系、化合物系ほか・・ |
太陽光発電システムは光を電力に変える太陽電池セルがあり、蓄電する太陽電池にはシリコン系のものとインジウム、ガリウムなどを組み合わせた化合物系のものがある ・ また光吸収層に有機化合物を用いるタイプもあり、有機系太陽電池と呼ぶ ・ 導電性ポリマーを使った色素増感太陽電池も開発されている ・ 一般的に普及しているのはシリコン系電池である |
パワーコンディショナー・・・・ |
太陽電池で発電する電気は直流電流であるので、これを系統電力に供給するため、校流に変換する必要がある ・ それにはパワーコンディショナーなどの設備が必要で、周辺産業に与える効果も大きい ・ 特に太陽電池の製造には半導体や液晶パネルのプロセスが応用でき、それらの製造装置メーカにとって太陽電池の増産はプラスになる |
バイオマス発電・・・・・・・・・・・・・・・ |
バイオマスは生物資源由来であり、植物系資源を利用する場合、燃焼で排出されるCO2はもともと光合成で固定されたCO2であるため、CO2量は増えないカーボンニュートラルなのが特徴 ・ また林業が盛んな地域では間伐材、農業地域では刈り取った後の植物の処理に困る場合がある ・ それらを有効にエネルギーとして回収できれば地域振興のメリットも出てくる ・ 酪農地では牛フンなどの処理が必要になるが、メタンガスを回収して燃料とする実験も進められている |
バイオマス発電の課題・・・・・ |
ただ課題も少なくない ・ バイオマスを有効活用するためには、燃料となるバイオマスを運搬、集積しておかなければならない ・ 小規模では効率が悪くなり、バイオマスを常に大規模に供給できなければならない悩みがある |
風力発電・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ |
季節風が吹く日本では、風力発電も有望な再生可能エネルギーとして位置づけられる ・ 発電機メーカは国内外にあるが、課題は風力発電に適した地域の選定である ・ 年間を通して安定的に風を得られるだけでなく、騒音の点で民家から離れていることも重要になっている |