福島原発原子炉は「冷温停止状態」、首相宣言 
                ( 日本経済新聞、朝日新聞 12月17日より )

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野田首相が発表   今後の政府の予定
炉内安定は疑問
ステップ2零音停止確認
来年度廃炉予算1兆円
事故収束と判断した理由
 . 廃炉に向けての計画
避難区域の見直し
第一原発の今後日程
 . 安定というには乏しい
住民には無意味な宣言
外国メディアは批判的
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■野田首相が発表したこと :   
ステップ2(冷温停止)を確認・・・・ 政府は16日、東電福島第一原子力発電所の事故収束に向けた工程表の第2段階(ステップ2)の完了を確認したと発表した(ステップ1:安定冷却 ステップ2:冷温停止状態) ・ 野田首相は「収束に至った」と宣言した ・ ただし、廃炉には最長40年必要で、事故収束にはまだまだ時間はかかる ・ (ステップ1:7月に達成、ステップ2:来年1月予定が1か月前倒し達成できた)
   冷温停止状態・・・・・・・・・・・・ 政府と東電が打ち合わせ定義した言葉で、圧力容器底部の温度がおおむね100℃以下で、放射性物質の追加放出を大幅に抑えたとする状態 ・ 核燃料が圧力容器に閉じ込められ水につかっている通常の原子炉で容器内の水温が100℃未満になり、燃料の核分裂反応が止まった状態を意味する「冷温停止」とは異なる
来年度廃炉への予算1兆円・・・・・ 首相は「闘いは終わったわけではない、廃炉まで息を抜かず努力する」と語った ・ 除染作業の人員を来年4月を目途に3万人以上確保し、来年度予算案を含め1兆円超の費用を用意すると語った   
事故収束と判断した理由・・・・・・・ 圧力容器底部の温度が100℃以下で、トラブルが生じても、原発敷地外の放射線量を十分低く保てると説明 ・ 圧力容器内にほぼ燃料がないとの見方もあるが、格納容器全体の温度も測りながら出した結論と主張している          
原発相、東電社長の一問一答・・・ 12月16日上記発表の後、会見した細野豪志・原発事故担当相と西沢俊夫東電社長との一問一答   
   「収束」というが早計では 細野「温度と外に出ているものの2条件について、今回その条件を満たした」
   「電源も多様性を確保し外部電源もあり、水源も確保できた」
   「再び迷惑をかけ、避難していただく状態にはない」   
       
■今後の政府の予定 :          
廃炉に向けての中長期計画発表・ 工程表を発表する ・ 原子炉建屋内の使用済み核燃料について2年後にとりだし作業をする目標を記す ・ 廃炉完了までに30〜40年かかるとし、その費用負担が今後の焦点になる     
避難区域の見直し・・・・・・・・・・・・ 半径20Km圏内での原則立ち入り禁止の警戒区域と、20Km圏外の計画的避難区域の見直しの考え方を年末までに示す ・ 年間放射線量が50ミリシーベルトを超える区域は「長期帰還困難区域」として新たに指定する ・ 除染で生じた放射性廃棄物を保管する中間貯蔵施設の同区域への建設も検討する      
第一原発の今後の日程・・・・・・・・ 12月20日中長期的工程表を発表 ・ 12月26日警戒区域の考え方を発表 ・ 2012年春以降、警戒区域を解除し、長期帰還困難区域を再編成する ・ 2013年3月までに、除染で生じた放射性廃棄物を保管する中間処理施設の設置場所を決定 ・ 2014年以降、原子炉建屋内の使用済み核燃料の取り出し実施 ・ 30年〜40年後、1〜4号機を廃炉へ   
       
■炉内安定は疑問 :   
政府東電が定義での冷温停止・・ 通常の原発では原子炉圧力容器の水温が100℃を下回れば、安定した状態である冷温停止と判断する ・ ただ福島第一原発では炉心溶融が起きて水が漏れ、この定義がそのままは使えない ・ そこで政府、東電は7月に「「冷温停止状態」という新たな目標をたてて、@圧力容器底部温度が100℃以下、A放射性物質の追加放出が年1ミリシーベルト以下・・と定義しなおした ・ あくまでも原子炉がこれ以上深刻な状態に陥らないという目安である        
   安定というには乏しい・・・・・・ ただ安定というには確証に乏しい ・ 核燃料は圧力容器から大半が溶け落ちている ・ 11月には放射性キセノンを検出し、核分裂が続く再臨界を疑う騒ぎが起きた ・ 直後に否定したが、いまだ原子炉内の様子がつかめていないことを露呈した ・ 実態解明は数年後と東電はしている    
   冷温停止設備も定かでない・ 冷温停止状態を続ける設備の安定性も定かではない ・ 大きな地震や津波が再び起きたら、施設や機器が壊れる恐れも残る ・ 仮設防波堤は意志を金網に入れて積み上げた簡単な造り ・ お潜水処理装置など仮説の設備や建屋の耐震性も低い ・ さらに廃炉作業は新たな技術開発が必要だし、除染作業も進めなければならない ・ 事故が収束したといっても「原発事故の闘いが終わったわけではない」        
               
■原発相、東電社長会見 :            
「収束」というのは早すぎでは?・・ 「第2ステップの条件(圧力底部の温度と外に出ているものについて)を満たした ・ 水源も確保できた(9台のポンプと多様な水の確保) ・ これからは除染、健康不安の除去、賠償問題にしっかり対応していかねばならない」細野原発相  
廃炉30年の期限切り大丈夫?・・ 「廃炉については来週ロードマップを示したい ・ 30年は超えると覚悟している」細野原発相  
東電会長、社長の責任は?・・・・・ 「3月にその責任の取り方、あり方を示したい」西沢社長     
高線量地域の避難解除方針?・・ 帰ることが難しい地域があることは事実 ・ 買い取る方法もあるし、帰りたい人から買い取る方法もある ・ 地元に寄り添う形で協議していきたい         
今後汚染水海に放出するのか?・ 4、5月のように十分に制御できず、海に海に流れてしまう状況は脱しており、安易な海洋放出はしないと、東電は明確に言っている ・ わたくしどももそういう方針で臨みたい  
何故統合対策室の会見をせぬ? 4月に記者会見を始めたときにはしっかりとお話すべきと思った ・ 今後も情報発信、みなさんのご質問に応える体制はしっかりと強化していかねばならないが、一区切りつけることは是非ご理解いただきたい ・ 今後は個々での会見を目指して行きたい 
       
■原子炉解体には数十年 :          
冷温停止宣言は住民には無意味 「冷温停止」発表を受けてロイター通信は「危機が存在しないような言い方は誤り」など専門家の見方を紹介しての懐疑的な報道が目立った ・ 米ウォールストリートジャーナルも「原子炉解体には数十年かかるであろう」と ・ 英国放送BBCは「放射線レベルはいまだ高く、帰宅できない人が多くいる」と指摘した ・ ドイツdも懐疑的な論調が目立った、DPA通信は「安全性という観点からみれば、原子炉の現状はほど遠い」と各国とも厳しい論調
アジアの新聞社も批判的・・・・・ 中国の国営新華社は、広範囲に及ぶ放射能汚染の除去や被災地の帰宅問題など、依然山積していると報じ、韓国の聯合ニュースは「事故の収集作業が峠を越えたと国内外に示そうとした意図だ」と報じた ・ 「一部の専門家は性急だ」とも報じている ・ フランスAFP通信も「原子炉解体までには30〜40年かかるとしている            
                   

   福島原発原子炉は「冷温停止状態」、首相宣言 

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