プルサーマル (核燃料ごみの減少につながるのか?) 
                ( 原子力資料情報室発刊「Q&Aで知るプルサーマルの正体」より )

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プルサーマル計画とは   プルサーマルの危険性
プルサーマルで事故が起きたら
プルサーマルとは
政府がプルサーマル推進の訳
プルサーマルへの再処理工場
 . 燃焼が不均一で制御しずらい
MOX燃料の廃棄物は高レベル
プルトニウムは大勢を肺がんに
 . 一般原子炉の2倍の被害
MOX燃料輸送中に事故ったら
リンク集:再処理工場ほか
     特集記事のバックナンバー:       掲示板 (チョット関連の話題ありませんか) 


■プルサーマル計画とは :   
危険な原子炉プルサーマル・・・・・ プルサーマル計画は、通常の原子炉、軽水炉でプルトニウムとウランを混ぜた燃料を燃やすことで、その危険性を従来の原発運転よりもさらに増大する ・ 福島第一原発三号基、九州の玄海原子力発電所がプルサーマルです
プルサーマルとは・・・・・・・・・・・・・ プルサーマルとはプルトニウム(MOX燃料)を普通の原発で燃焼させることをいい、語源はプルトニウムとサーマル・ニュートロン・リアクター(原子炉)とを合わせた和製語である ・ 日本でのプルサーマルの推進理由には、資源の少ない日本においての資源の有効利用、核拡散・兵器転用を疑われる余剰プルトニウムを持たないための手段を掲げている
   プルサーマル計画の推進・・・ プルサーマル計画は1961年につくられた原子炉長期計画のときからあり、1990年に政府が推進を打ち出しました ・ プルトニウム利用の切り札、高速増殖炉の開発が進まず、プルトニウムの利用とのことで、六ヶ所村再処理工場の建設とプルサーマル原発が騒がしくなりました  
     高速増殖炉・・・・・・・・・・・ 減速材に軽水を使わず、ナトリウムを使用する ・ MOX燃料の元となるプルトニウム239とウラン238はいずれも核廃棄物として処分する他に使い道はあまりないものですが、高速増殖炉の炉心で燃やすことでそれらを有効利用しながら、さらに不要なウラン238から次の高速増殖炉用の核燃料であるプルトニウム239を作り出すことで核燃料を循環させる「核燃料サイクル」を実現するための要となる装置である(Wikiより)
   プルトニウムの高効率利用・・ プルトニウムの利用については、もともと高速の中性子を使う高速増殖炉の開発が中心で考えられていました ・ 原子炉で燃えにくいウラン(天然ウランの99.3%)が原子炉の中では中性子を吸収してプルトニウムに変わります ・ そのできるプルトニウムの70%が燃えやすいプルトニウムなので、ウランの何十倍も、燃料として使えるようになるからです ・ これにより劣化ウランを有効に使用でき、エネルギー資源の残量が2000年ほど伸びるといわれ推進されたのです        
   プルトニウムが余っている・・・ しかし本命であった高速増殖炉の開発はどこの国でも頓挫し、プルトニウムが余ってしまい、その利用にプルサーマルをとなりました ・ フランスの「スーパーフェニックス」や日本の「もんじゅ」など高速増殖炉の相次ぐ事故で高速増殖炉は長期の停止に追い込まれ、高速炉でのプルトニウム減少の計画は潰れてしまいました   
政府がプルサーマル推進の訳・・・ 「もんじゅ」のナトリウム漏れ事故で、余ったプルトニウムはとうとう普通の原発で燃やすしかなくなりました ・ プルトニウム利用の主軸はプルサーマルへと移っていったのです ・ 核燃料サイクルのやっかいな産物の処理がプルサーマル計画となったのです ・ 従ってプルサーマルを止めることは、再処理を止め、原発を止めることにもなりかねない事態にもなってきました ・ プルサーマルは原発推進のキーになりました  
   プルサーマルへ再処理工場 再処理によって、使用済燃料に含まれるウランとプルトニウムは回収され、再び燃料に加工され、新たな資源としてよみがえります ・ 日本には、茨城県東海村の(独)日本原子力研究開発機構に再処理工場がありますが、年間の処理量が210t(トン)と小規模なため、これまでは、イギリスとフランスに再処理を委託してきました  ・ エネルギーセキュリティなどの観点から、2010年4月、青森県六ヶ所村に再処理工場を建設しました    
   再処理の工程・・・・・・・・・・・・ ウラン燃料を原子炉で核分裂させた後の使用済み核燃料には、ウラン238、ウラン 235、プルトニウム239、核分裂性物質などが含まれています ・ この中から劣化ウラン(ウラン238)とプルトニウムを取り出して、MOX粉に加工するのが再処理工場のしていることである ・ MOX粉とは、プルトニウムとウランを1:1の割合で混ぜ合わせた物質です ・ また、MOX粉を加工しなおしプルトニウムの含有量を4〜9%にして燃料の形態にしたものがMOX燃料と呼ばれています ・ MOX燃料がプルサーマルで使用されます
       
■プルサーマルの危険性 :   
燃焼が不均一で制御しずらい・・・ 安全性に関しては、今の原発はウラン燃料使用のために作られていて、プルサーマル用に作られていないことがあげられます ・ MOXの集合体とウラン燃料の並んだ炉心で、MOX燃料集合体のところで反応が大きく進み、局所的に出力がでます ・ 制御棒のききが悪くなり、いざというときにうまく核反応をとめられない危険性があります        
MOX燃料の廃棄物は高レベル・・ 後世に問題を残しそうな廃棄物の問題ですが、使用済みのMOX燃料の再処理に関しても高レベル廃棄物の受け入れに関して目処がたっていません ・ MOX燃料は地中に埋められても温度が下がるまでに500年もかかります    
プルトニウムは大勢を肺がんに・・ プルトニウムは1gで50万人を肺がんにできるというほどに猛毒性の物質です ・ 核兵器の材料になりますが、プルサーマルが実施されますと、このプルトニウムを大量消費、大量移送することになります        
               
■プルサーマルで事故が起きたら :            
一般原子炉の2倍の被害に・・・・・ プルサーマルで事故が起きますと、プルトニウムやアメリシウム、キュリウムといった超ウラン元素の放出がおおくなります ・ 格納容器が破壊されるような事故が起こると、ウラン燃料だけの場合よりMOX燃料装荷の場合には、被爆線量が2.5倍になります ・ 同じ線量を被曝する区域が2倍になる計算にもなります  
MOX燃料輸送中事故ったら・・・・・ 原発から遠く離れた所で、MOX燃料やその使用済み燃料を輸送中に事故る可能性があります ・ 交通事故などで火災に巻き込まれて輸送容器が破損したりすれば、微粒子状になったプルトニウムなどが環境中に放出されます ・ 周辺の住民に大きな被害をもたらす可能性があります  
              
■リンク集 :           
高速増殖炉・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 高速増殖炉(WIKI) ・ 本ホームページ過去の記事より  
再処理工場・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 再処理工場(WIKI) ・ 再処理工場の危険性 
プルサーマル発電・・・・・・・・・・・・ プルサーマル発電(WIKI) ・ プルサーマル発電とは ・ プルサーマル発電は必要か?    
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